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『スタートアップ経営者のための、知っておきたいお金の話』#2

こんにちは、萩口義治(はぎちゃん)です。
創業・スタートアップの経営者の支援に特化した会計事務所「はぎぐち公認会計士・
税理士事務所」と「資金調達に強い」コンサルティング会社

「株式会社HG&カンパニー」の経営をしております。

10月25日(土)には、下記のイベントに出店させていただきます。
http://www.k-society.com/seminar/

ABSの「ベンチャー事業創造講座」の講師で、BBT大学の教授でもある松本孝利先生のお話も聞くことができます。

さて前回(第1回)は、「税金を払わないと会社は大きくなりません」をお送りいたしましたが、この内容は、多くの税理士があまり言わないことのようで、経営者の方々から多くの反響を頂いただきました。

見逃してしまった方は、ぜひこのブログ内で改めてご覧になってみてください。

■今月のテーマ
さて第2回目のテーマは、「役員報酬、いくらにすればいい!?」です。
役員報酬は、経営の意思決定権者の報酬なので、利益操作を防止するために
従業員給料よりも厳しい決まりがあります。
また、役員報酬の金額設定については、どのようなことを考慮するべきなのでしょうか。
実際には、業計画・所得税・法人税・社会保険など様々な要素を考慮せねばなりません。

■役員報酬の決まり
役員は、会社の経営を実行する立場であり、自身の報酬の決定に
影響を与えることのできる存在です。

そこで役員の報酬を自由に変更できることを認めてしまうと、

決算期末に役員が自らの役員報酬を調節することで、利益調整ができてしまいます。
そのため、法人税法では役員報酬について、これを経費計上するための条件を設けています。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5209.htm

①定期同額給与
定期同額給与として認められるためには、会社は、事業年度開始から3か月以内に
役員報酬の金額を決定し、毎月同額を1年間払い続けなくてはならないとされています。

②事前確定届出給与
いつ(月日)、誰に(役員名)、いくら払う(金額)という内容の届出を事前に提出し、
当該日にその金額を支払うものです。届出の金額から、
1円たりとも増減すると経費として認められなくなります。

③利益連動給与
有価証券報告書を作成しているような非常に大きな会社のみに
適用される規定なので省略しますが、こちらも事前に利益と
役員報酬との比率などを決定して、公表することが条件とされています。

このように役員報酬は、いずれにしても決算日に近くなり利益が
予想できるようになるよりも前に決定する必要があるのです。

■役員報酬の月額によって、税金や社会保険の金額は異なってくる
役員報酬を決めるときには、まず、当期の事業計画を想定します。
役員報酬をゼロとした場合に、会社にはいくらの税引前利益が残るのかをまず、予測します。
その金額を、役員報酬と会社の利益に分配すると考えてください。
(赤字予測の場合など、各役員の生活費などの最低ラインなどは、考慮しなくてはなりませんが。)

役員報酬は、役員の個人の所得税、会社の法人税の双方に影響します。
また、社会保険の金額にも影響します。

仮に、役員報酬考慮前の税引前利益が2,400万円であったときに、
役員報酬を月額いくらにするかによって役員の個人の所得税、会社の法人税、
社会保険がいくらになるのかについて、シミュレーションしてみた結果が以下です。

第2回

上の表からお伝えしたいのは、役員報酬をいくらにするかによって、
税金額や社会保険の金額が変わってくるということです。
役員報酬考慮前の税引前利益が2,400万円の前提においては、
上記の4案の中では役員報酬月額を100万円にするのが最も、
トータルの税金と社保の支払い(①②③の合計額)が小さくなります。

社長一人の会社で、株主も社長100%の会社だとすると、表上の①②③はすべて
最終的には社長に帰属する負担ですから、社長に残る金額が変わってくることになります。

予想される利益をどれだけ会社に利益を残し、どれだけ役員個人に支払うのかによって、
金額に差が出てくるということです。
当シミュレーションは、厳密には他にも諸々の条件を考慮することになりますので、
個々の事象ごとに税理士に相談していただくことをお勧めします。

■事業計画の予測が困難な時
“役員報酬のシミュレーションは事業計画が前提になる”とお話しましたが、
何しろ役員報酬は事業年度開始後3か月以内には、将来1年分を決定しなくてはなりませんから、
そうそう正確にシミュレーションすること自体が難しいといえます。
(利益操作防止の趣旨ですので、当然ですが)
特に創業期は、設立から3か月の時点で、その期の事業計画を正確に予測するのは非常に困難です。

そんな時は、定期同額給与と事前確定届出給与の併用を考慮してもよいかもしれません。
定期同額は一定の抑えめの金額にしたうえで、事前確定届出を決算近くの日付にして、
決算期末のひと月前までに利益目標●●円を達成していたら、
事前確定届出給与を支払うというような使い方です。
事前確定届出給与は、日付と金額を事前に届け出てその通りに支払えば経費計上できますが、
支払わなければそれはそれでそもそも経費計上していないので、
その経費性が問題になることはないのです。
事前確定届出給与は、金額を増減することはできませんが、
後々、払うか払わないかの選択だけは将来に残すことできるのです。

■次回予告
次回の内容は、まだ未定ですが、みなさんにお役立ていただける情報を
お届けしていきたいと思いますのでどうぞお楽しみに!
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