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【講義録No.1】株式会社クラウドワークス吉田浩一郎氏による
上場記念・凱旋講演

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株式会社クラウドワークス吉田浩一郎氏による
上場記念・凱旋講演―【講義録No.1】


○開催日:2015年1月14日(水)19:00~21:00
○講師:株式会社クラウドワークス 吉田浩一郎氏
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ABS卒業生・吉田浩一郎氏をお招きし、東証マザーズ上場の記念講演を
開催しました。当日の講義レポートを公開いたします!

 

1.ABSとの出会いと学び

◆ABSに通うことになった、きっかけ

ABSに通っていたのは、ちょうど10年前の2004年。
当時起業に興味が出てきたが、家族にも友人にも経営者はいなかった。

「会社ってどうやってつくるのかな?」
「仲間もいないし・・」

と思い、まず無料で参加できる交流会に参加してみた。
1年程通いつめてみたけれど、人の出会いの質が上がらなかった。
お金を払えば、それなりに覚悟がある人と出会えるのではないかと思い、
30万ぐらいの受講料を払って受講した。

ABSで大前さん、ケンコーコムの後藤さん、ホリエモンさん、
孫泰三さんに会って初めて経営者を身近に感じ、
そこから私の起業人生は明確に始まった。

◆ABSに通ってよかったこと

一番刺激的だったのは経営者の話を直接聞けることだった。
大前さんにしても孫泰三さんにしても、普通の人とは違う
「天上人」のように思っていた人が身近に感じられた。
イメージできたものはだいたい実現できる。今こうやってここに
立っているのも、その時に強くイメージを見ることができたからだと思う。
そして、「ABS出身だ」というのは一生使える。

上場したら、大前さんはもろ手を挙げて喜んでくれて、
応援もしてくれる。これは、すごくありがたいことだ。

 

2.クラウドワークスについて

◆赤字で上場したクラウドワークス

2014年12月12日に上場したが、事業の実績としては赤字だ。
上場前も後も赤字ということを宣言しており、
もちろんその上で東証に上場をいただけた。
ロボットやバイオなど、投資が大きく必要な分野は赤字での上場が

認められているが、実は、ライフネット生命やサイバージェントも
赤字で上場していて、ネット業界では実に14年ぶりだ。

要するに、それだけ、このビジネスは大きな市場が広がっていると
期待されている。

◆21世紀は、個人・企業・国家の地位が横並びの時代

ネットの普及で、情報を受け取る側(情報弱者)だった個人の地位は
格段に上がった。
そして個人や企業が、国家を選択できるようにもなった。
例えば、GoogleJapanは、会計上オランダにサイトを置いていて、
オランダのビジネスにお金を払っていることになっている。

また、Amazonで本を買うと、アメリカに納税したことになる。
これは「物」の時代だった20世紀ではなかったことだ。
必ず税関を通る「物」と違って、ネット上のサービスを国は管理できない。
税制が気に入らなければ、企業は、国を選べるということなのだ。

そもそも、国や企業に頼らなくとも、個人と個人で色々な取引ができる。
個人の空部屋や車の空き枠などが売買されるシェアリングエコノミーが
急速に発達するなど、ネットの普及で個人のリソースや考えが、一気に
シェアされはじめている。

◆クラウドソーシングとは?

クラウドソーシングとは個人のリソース(スキル)の空き枠をシェアするサービス。
例えば、子育てママが子供が寝て空いた時間に仕事ができるよう、最短15分で
マッチングし仕事を開始することが可能だ。

アフィリエイトなどの小づかい稼ぎではなく、本格的な職種の仕事が
ネット上でできるようになった。

企業にとっても空いているリソース(個人の空き時間)を有効に活用できる。
予算7万円で、2週間の間にCDジャケットのデザイン130案集めたという事例もある。
企業は、固定費ゼロで、人材バンクを手に入れられるようになったのだ。
中小企業やスタートアップ企業にとっても、人材を一人雇うほどでもない
場合、単発で仕事を依頼することが容易に可能になった。

クラウドソーシングのポテンシャルは大きく、企業にとっても
圧倒的なコストダウンや、オープンイノベーションにつながっている。

◆大企業が個人の力を活用する、社会の大きな変化とは?

今や大企業や行政も、クラウドソーシングを活用し始めている。
そこには、クラウドソーシングだけでない、大きな社会の流れが存在する。
その背景の一つとして、価格の源泉が「製造原価」では無くなったことがあげられると思う。

従来は一つの商品にかかった値段から売値を算出していた。
しかし、今は何でも定額制の時代。

Amazon は月額1000円で5万冊の本が読み放題のサービスを提供音楽や映画もそうだ。

結果主義になったり、読まれた分だけ、聞かれた分だけといった共感が
価格の源泉となる時代に突入したことによって、ビジネスモデルの圧倒的な
変化が起こった。

つまり、製造原価をPayする保証はなくなったのだ。
物が売れない時代。その答えの一つにクラウドソーシングがあると思う。

◆共感が価格の源泉になる時代がやってきた

スターバックスはリーマンショックの際に経営危機に陥り、
顧客との関係性を見直す試みをした。
ソファ、立地、ケーキの味、店員の態度、流す音楽など、
ユーザーと対話をして新商品の企画などができるサイトをつくったのだ。

そこで生まれたのがご当地マグカップだ。マグカップは製造原価はせいぜい
50~100円くらいだが、これが1点ものという事で、2000円でも買う人がいる。

スーパーマーケットのウォルマートでも、差別化が困難な商品を扱っていながら、
どんなものを店頭に並べればいいか、ユーザーが決めるという手法を取った。

日本では、受け取る側と提供する側が完全に分かれていて、
最高のものをつくって提供するということをやってきた。

しかし、スタバやウォルマートは、作る過程をユーザーと共に共有して、
共感を生みながらものづくりをするということをやっている。

共感を主体とした価格決定がなされる時代に、そして
課題は誰が解決してもいい時代になった。

◆個人の働き方に変化をもたらす、クラウドワークス

クラウドワークスは、政府・行政・上場企業をはじめとして、
この3年で5万社(※編集部 注:2015年3月時点で6.3万社)のクライアントを開拓できた。
国内での市場規模は1兆円規模へと急成長している。

約8割が地方から受注されていて、地方都市とも提携し、
地域活性化のプロジェクトなども進めている。

シニア層は2.1万名(※編集部 注:2015年3月時点で3.2万人突破)を突破している。
最高年齢も85歳、70代でクラウドワークスで働く人も多く、
シニアのあたらしい働き方にもなっている。

主婦が筆文字のスキルを活かしてクラウドソーシングで仕事をしたり
子育てや家事をしながら、在宅イラストレーターとして活躍する人、
障害で企業勤務が困難な方でも働くことができる。
若者・女性・シニア・フリーランスなど、91%の人が、
「働く機会が増えた」と回答している。

◆今後の日本社会の見通しと、クラウドワークスの課題

20世紀は、大企業・正社員という1つのフォーマットしかなかった。
新卒で入れなかったり、フリーターを一回でもやると正社員になる道は
なかなかなかった。子育てや介護で仕事を辞めたら、派遣でしか
復帰できないから、ドロップアウトしないようにするしかなかった。

しかし、その正社員比率は、2015年、50%を切るという。
企業は信頼の積み重ね(取引実績など)で客観的に信用できる指標があるが、
個人はいまだに履歴書で判断される。

そこで、クラウドワークスは、個人の与信のインフラをつくりたい。
仕事だけではなく、教育や保障制度の充実など、正社員であれば
普通にあるものをつくって、多様な働き方を選べる世の中にしたい。

ライフネット生命と提携して、クラウドワーカー向けに保険の案内も開始した。

クラウドワークスは、
300万社の企業に新しい人材調達の在り方を、
1億2千万人の働き手に新しい収入源を提供していきたい。

                   講義録No.2 へつづく
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