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注目のABSアソシエイツ起業家紹介♯3

弁護士ドットコム元榮太一郎氏、クラウドワークス吉田浩一郎氏。
アイスタイル吉松徹郎氏、ミクシィ笠原健治氏。
上場後も活躍されるあの方々も、かつてはABS受講生でした。

前回から引き続き、「注目のABSアソシエイツ起業家紹介」として、
ABSで学ばれた経験を持つ起業家に、起業前から現在までの歩みや、
今後のビジョン、戦略等について本音で語っていただきます。

第三弾は、株式会社ビージアム 代表取締役社長の松川奈央子氏です。

なお、このコーナーの取材・記事執筆は、元ジャパンタイムズで、
現在フリーで活躍される井内千穂さんが担当します。


株式会社ビージアム 代表取締役社長 松川奈央子氏



相模大野駅から徒歩5分ほどの明るいレンガ風外壁の建物。
2階に上がると子ども達が元気に駆け回っている。
このキッズスクール相模大野を経営する、
株式会社ビージアム 代表取締役社長 松川奈央子さんにお話を伺っていると、
やがて、子ども達が一斉に別室に移動して、英語をしゃべり始めた!
そう、このスクールでは、安心して子どもを預けられる保育サービスとともに、
小さいうちから「使える英語」を身につけられるようなクラスを提供しているのである。
この春からは学童のサービスも始めた。

*   *   *   *   *


「下の子の成長に間に合わせる感じですね」と松川社長は事業の成長を振り返った。

現在、小学4年生の娘と小学1年生の息子の2児の母である松川社長は、
東日本大震災後の2011年秋にABSの『戦略思考講座』を受講。
2012年末に会社を設立し、翌春2013年4月にキッズスクール相模大野をオープンした。
当時、他の保育園に通っていた息子を自身のスクールに転園させ、
小学校に上がったばかりだった娘も放課後はスクールで過ごすことになった。

20代前半から30代半ばまで、アパレル業界からエンターテイメント業界、
そして、ソフトウェア業界と様々な業界で働いてきたが、
自分が本当にやりたいことがわからなくなっていたという松川社長。
小さな2人の子ども達との家族の時間を犠牲にしてまで働いている意義は何なのか?
自分の中でこのままではいけないという思いを抱えてABSを受講し、
起業の方向性や資金集めをするためのプレゼン構成などを学んだ。

*   *   *   *   *


「保育園 × 英語教育」というユニークなコンセプトはどこから出てきたのか?

「元々、海外への興味があったわけでは全然ない」という松川社長だが、
高校時代、将来やりたいことがわからず、大学進学で悩んだのが米国行きのきっかけだった。

「日本の大学の何学部?というのが選べなかったんです。」

母親のアドバイスもあり、アメリカの大学に行けば専攻分野を複数選ぶこともできるし、
少なくとも英語力が身につくのではないかと考え、カリフォルニア州のカレッジに進学した。

自分の語学力のなさに失望しながらも、就職後に再度アメリカで勤務したり、
海外出張したりする中で英語のコミュニケーション能力を磨いてきた。

「18歳で初めて外に出てみて、やはり、英語が話せると視野が広がるということを
 身にしみて感じたんですね。英語ができれば、いろいろな国の人たちと話ができますし、
 どこの国に行ってもそんなに困らないと。それを子ども達にも伝えたいと思いました。」

しかし、18歳からでは遅い、もっと早くから英語に取り組んでいればよかったと感じた松川社長は、
自分の子どもには英語の苦労をさせたくないと思ったという。
妊娠中に意気込んで子供向けの英語教材を購入してみたものの、
保育園に預けてのフルタイム勤務の生活では、
家で親が子どもに英語を教えるような時間などなく、宝の持ち腐れになってしまった。
そこで、保育園の中で英語をやるのがいちばん効率的であるというアイデアが浮かんできたのである。

「これからの世代にはもっと早くから英語を学ばせたいという
 働くお母さんたちの目線で見た場合、そういった環境が全く整っておらず、
 このままではいけないと。今それを自分でやろうと思い、脱サラして起業しました。」

ベネッセの調査結果や周囲のママ友、職場の同僚母達へのアンケートからも、
たとえ、それなりの料金がかかっても、自分の子どもには
早くから英語をやらせたいと考えていることが読み取れ、手応えがあった。

*   *   *   *   *


基本的には普通の保育園であり、現在13人いる保育士はみな日本人である。
これに加えて1日に90分、英語だけの時間を設けているのがユニークな点だ。

「バイリンガルを育てるための条件として、一日中でなくても一定時間を
 毎日コンスタントに続ければ、その言語がしゃべれるようになるという研究結果があり、
 うちでは毎日90分の英語クラスを取れるようにしています。」

一日中英語で過ごすインターナショナルスクールよりは料金的にも高額にならず、
また、母国語たる日本語教育上の心配もない。
現在、英語クラスを担当しているのは、ルーマニア人、ドイツ人、フィリピン人の3人のスタッフ。
以前は英米出身のスタッフもいた。
いずれにしても、ネイティブ並みの英語力を持ったスタッフによる、国際色豊かな環境である。

実際どれぐらい英語が上達するか?というところだが、3年経った今、
たとえば、キッズスクールからインターナショナル幼稚園に入園した園児は
英語環境でのコミュニケーションに問題ないという。

「小学4年生になる娘も、子供向けの英語の本が普通に読めるようになっています。」

1~3歳児は終日預かる保育園であり、4~6歳児は幼稚園が終わってからの時間帯に預かる形だ。
そして、この春からは学童保育も始めたので小学生もやってくるし、
お稽古事として英語を習いに来る子ども達も受け入れている。

英語教育の内容として、大手の英会話教室など各方面にリサーチした時に出会ったのが、
千葉県茂原市でカナダ人女性が経営しているキッズスクールだった。
アートや料理など、生活の中での実践的なクラスを英語で行う、
北米のプレスクールのようなカリキュラムを提供している。

「彼女自身の養子を含め、日本人の子ども達を日本にいながら
 どうやってバイリンガルに育てられるか?と考えて始めたスクールなのです。」

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2013年に園児10人からスタートしたキッズスクール相模大野は、
この3年間で順調に成長し、現在、保育園には定員いっぱいの35人、これに加えて、
幼稚園との二重保育、学童保育、英語だけのお稽古の子ども達を合わせて約70人が在籍している。

行政への申し込みで入園が振り分けられる「認可保育園」ではなく、
「認定保育園」(東京で言えば「認証保育園」)として補助金を受けながら、
料金や保育内容を独自に設定し保護者から直接申し込みを受けている。
医療機関や大企業などの立地を踏まえた地元近辺のマーケティング結果による、
月額約9万円という料金設定は、認可保育園よりやや高額だが、
開所時間が午後8時までと長い上に、毎日90分の英語クラスもあるというサービス内容によって、
保護者から支持されていると言える。
さらに、「英語への取り組み」を前提に集まった保育士の先生方のモチベーションの高さも、
「雰囲気が良いですね」という評価につながっていると松川社長は語った。

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起業以来ここまで来るのは決してラクではなかった。
保育園の設立には、場所や人件費など収入がなくても先行投資していく必要があり、
資金面ではかなり苦労した。
そんな時、友人が言ってくれたのは、
「おカネがなくて潰れる会社ってないんだよ」という言葉だった。

「潰れるのはおカネがないからではなく、人について行けない、
 あるいは、サービスに問題があるからで、内容が良ければおカネは絶対についてくると。」

だから、自分がやっていることを信じて、ひたすら、どう切り抜けるかを考えてきた。

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2016年4月にスタートした学童保育の延長線上には、子どもの海外留学も考えている松川社長。
義務教育である小・中学校は日本で卒業させつつ、
夏休みなどを利用して中学校卒業までに短期の留学を経験させ、
「日本の高校や大学に行くだけが目標ではないということに気づいてほしい」と言う。
「海外のことも視野に入れて、英語力だけでなく、
 自分の可能性の選択肢を広げ、進路を自分で選んでほしい。
 子ども達の成長に合わせて、学童保育、留学などのサービスを展開し、
 長いスパンで一人のお子様の面倒を見させていただきたい」と松川社長は語った。

2020年の東京オリンピックに向けて変わってくるとは言え、
日本の学校での英語教育はまだまだ遅れており、ローマ字の使用をはじめ、
やり方が古いと松川社長は指摘する。

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2016年4月からの新たな事業展開として、学童保育のほか、
鶴川サナトリウム病院内保育施設に「キッズスクール鶴川」をオープンした。
これは、病院との契約で保育サービスを提供するもので、
ビージアムが受託することとなったポイントとして、やはり英語クラスの存在が大きかったようだ。
医師、看護師、介護士ら約30~40人が登録し、
夜勤なども含めた変則勤務に対応して子ども達を預かる体制だ。

「院内保育として英語も教える保育サービスを謳えることは
 病院側のリクルートにも寄与します。
 また、こちらとしては、元々病院内に施設があるため、初期投資がかかりません。」

今なお待機児童問題が深刻である一方、託児のイメージが強い事業所内保育。
英語を加えた良質な保育サービスの提供には、大企業などからも高いニーズが見込まれ、
今後の事業展開に松川社長も意欲を見せるのだった。

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安心して子ども達を預かってもらえたら、
母親達はそれぞれの仕事においてさらに活躍することができる。
その上、なかなか手が回らない母親達の願いを受けて、
保育園で幼児期から自然な形で英語を身につけた子ども達が、
国際社会で堂々とコミュニケーションできる大人に育ってくれたら・・・
少子高齢化が進む日本の未来に一筋の光明を差し込む。

松川氏
左:松川氏  右:ABS統括責任者 加藤



■Web
http://www.kidschooljapan.com/index.html

■Sagamiono School
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相模原市南区相模大野8-4-7
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