
ITを活用した新たなビジネスの創造
夢の街創造委員会株式会社の中村利江社長にお越しいただき、
経営者講義を開催いたしました。
ITを駆使し、生活者の潜在ニーズを満たす新たなビジネスモデルに
ついて語っていただきました。
その講義録をお届けします。
■インターネットの特性~「ネットだとわがままが言える」
もともと出前はチラシを見て電話を掛けて注文していましたよね。
出前館がチラシと大きく違う特徴は
ネットだとわがままが言いやすい部分がございます。
例えばお寿司ですと、ワサビのあり、抜きですとか
「桶で届けてください」とか、「使い捨ての折で届けてください」
とかが言えます。
ピザですと、電話で
「私はピーマンが嫌いなのでピーマンを抜いてください」
とは、なかなか恥ずかしくて言えませんよね。
しかし、ネットですとピーマンを抜くですとか
チーズをプラスするなど、すごく簡単に注文できるのが
ネットの特性だと思っています。
このような特性を生かしながら
例えば「一緒にドリンクはいかがですか?」といった
出し方もできます。
お寿司をご注文されるお客様の6割以上が
握りのセット+単品で注文されています。
一部の方は、単品だけで“イカと玉子とウニ”のような
選び方をなさっていて、最近このような傾向が増えています。
このようにわがままが言えることが電話より客単価を
上げることに結びつきました。
ユーザーさんとしてはすごくわがままが言えて
好きなものが頼めている反面、
お店にとっては、電話注文よりも高い客単価の
お客様を獲得できているということが実現できています。
■競合相手は“既存慣習”
実は出前館が売上を上げるのを阻む大きなハードルがありました。
ネットで出前館の競合サイトはいくつかありますが
あまり競合とは思っていないんです。
ネットでは出前館が圧倒的シェアなので。
出前館のビジネスモデルを成り立たせる上で
競合してきたのは、今までの“慣習”なんです。
今まで、出前は100%電話で注文するものでした。
ですので、電話をするためにはどうするかと言うと
チラシを配って、チラシを見て電話を掛けるというのが
普通の行動でした。
例えば、あるピザ宅配チェーンが20年前アメリカから来たときも
CMも流すのですが、主な販促方法はチラシを何枚撒くか、でした。
ところが、出前館がスタートした2000年前後から、
今まで行なってきたチラシによる販促が効果がなくなってきたんです。
理由は二つあります。
1.オートロックのマンションが増えてきたために
建物の中に入ってのチラシ配りができなくなった
そうすると、20年以上前から同じ地域にチラシを配ってきて
いつもは10万枚撒けたのに、いつの間にかその数が
9万枚に減ってきた、8万枚になったといった現象が起きました。
2.新聞講読率の低下
新聞折込によるチラシの配布をなさっていたのですが
これも同じように今までの世帯数は同じなのに
折り込み広告によるリーチ率の低下が起こりました。
チラシ100枚当たりの購入率は変わりませんから、
よほどチラシが改善されない限り購入者数は変わりません。
つまり、チラシの撒く枚数が減れば購入者数も減っていきます。
お店がチラシだけで売上を上げようとするときに何をするかといえば
配達範囲を広げてチラシの配布地域を広げるんです。
しかし、配達範囲を広げるということは
当然、配達効率が悪くなりますからコストが上がります。
一番いいのは
「チラシでは届かない層にお店の告知が出来ること」ですよね。
そこでチラシではなくてインターネットという
新しい手法を使う「出前館」を通じて顧客にリーチできますよ、と
お話を繰り返すことで、出前館が少しずつ大きくなっていきました。