
女性のファッションを支えるニュー・バリューチェーン
女性ファッション誌『CanCan』『JJ』などで、
人気モデルが着用している洋服がインターネットで手軽に
購入できるという独自のビジネスモデルを構築。
2006年11月に東証マザーズに上場を果たした株式会社マガシーク。
今回の経営者講義では、マガシークの代表取締役社長 井上直也氏に
お越しいただき、これまでの苦労や成功への秘訣を語っていただきました。
その講義録をお届けします。
■妻の一言にビジネスのヒント
ファッションの世界に携わりたいという夢を持ち、1987年、
早稲田大学卒業後、伊藤忠商事に入社。
配属されたのは華やかなファッション業界とはかけ離れた、
法人向けのユニフォームの販売部署だった。
その後、民間のユニフォーム販売部署への転属や海外勤務を経て、
現在のビジネスモデル発想のきっかけを生む機会が訪れた。
ファミリーマートのインターネットサイトでファッションを販売する
という企画を依頼されたのだ。
その際に妻の「雑誌に出ている商品がネットで購入できればいい」
という一言からビジネスヒントを得て、現在のマガシークの原型ともいえる
ビジネスモデルが出来上がった。
インターネットならデパートに行かずに、24時間いつでも注文でき、
多くのブランドの商品を一度に見ることができる。
ネットショッピングが普及した07年9月末現在では、
64万人もの会員数を誇るサイトにまで成長した。
■商品確保に駆け回る 赤字続きの日々
現在でこそ380ブランドを販売しているマガシークだが、
2000年の立ち上げ当初はネットショッピングが
普及していないこともあり、アパレルメーカーの協力が得られず、
雑誌の掲載商品を調達できないこともあった。
それでも顧客の要望に応えるため、現金を持って、
商品をデパートに買い付けに行く日々が続く。
また人件費や物流費を削減する案や、お金をかけないプロモーションに
知恵を絞った。
「NTTドコモの携帯でファッションを買うことが、かっこいい」
というイメージ戦略で広告を展開。
アパレルメーカーや出版社との連動企画などを考案し、
ファッションのネット販売の実績を築いていった。
それでも丸二年は赤字が続いた。
■最後まで諦めないことが成功への近道
3年目までの赤字体質を黒字に転換できたのは、
伊藤忠商事での12年強の営業実績と駐在経験から生まれた人脈である。
新規プロジェクトを後押しし、応援してくれる人材に恵まれたのだ。
NTTドコモでの広告展開には同期が掛け合ってくれたり、
3年目までに黒字化しなければ事業撤退という制限がある中、
何とか黒字に転換。
2004年11月には第8回オンラインショッピング大賞を受賞。
そして2006年11月には東証マザーズに上場を果たす。
戦略はもちろん重要だが2年目の赤字体質の際に諦めていたら、
現在のマガシークはなかった。
成功に近づく道は、最後まで諦めないことなのだ。