
思い描く未来は“アントレプレナーシップで創り出す!
先日、株式会社CHINTAI 代表取締役会社長の石川貴氏をお招きし、
07年第3期経営者講義の第2回目が開催されました。
CHINTAIは不動産情報の老舗の会社で、情報誌やサイトの運営などを
手がけております。
石川氏は銀行をキャリアのスタートにしながら、数回に及ぶ転職の末、
現在のCHINTAIに入社、そして30代で同社の社長に就任します。
今回の講義では、稲吉氏が、CHINTAIに入社するまでのキャリアの経緯、
そこで学んでいったマネジメントの手法、
「雇われ社長」としてのバランスを持った哲学などについて
語っていただきました。
●CHINTAIに自分を売り込む
僕は小粒でもぴりりと辛いコンサルティングファームにもいたんですが、
あるとき兄貴にえらく怒られましてね。
「この後のお前の人生どうするんだ?お前、今、4社目だろう?」と。
「かっこつけた転職はやめろ。一度でいいから、その会社で
浮かばれない人事を味わってみろ。3年でも4年でも冷や飯を食ってみろ。
そうしたらそこでも頑張っていたら、もう一度上げてくれる誰かが、
会社には必ずいるんだ。
企業というのは捨てたもんじゃないぞ。そうしないとお前には、
企業を愛する気持ちやこの仲間とやり遂げようという気持ちが
芽生えない。それはお前の会社人生にとって、俺から見て悲しいことだ。
一度でいいから冷や飯を食ってでも粘ってみろ、
ぜひそういう転職活動をしてみろ」とアドバイスをもらいました。
その言葉が頭に残ってまして、そのコンサルティング会社で
CHINTAIにフォロー営業に行ったときに、その時に、今は専務で
私の下でやってくれている人と会いまして、
「後継者の片腕がいない」という話をききました。
それで、
「ピッタリな人材がいます。俺が行きます。どうですか、僕なんて」
と、その切り返しが面白い、ということで、数ヵ月後に
社長に会わせてもらいまして、面接をしてもらいました。
そのとき「石川君は何をやりたいんですか?」と聞かれまして
兄貴の話をしました。
そして、今度の会社で死に物狂いで働いてみたい。ただしいつか
社長というものにチャレンジしてみたいです。
だから僕は何年いられるかわかりません。といったら、全部OKだ、と。
「その代わり40まで思う存分働いてくれ。ぜひ来なよ」と言われました。
●挫折から学んだマネジメント
僕は以前の会社での挫折というのは、創業社長ほどのパーソナリティが
ないな、という悟りと、もう一つは若いときに14人の部下を
持たせたもらったときに、部下からこう言われたことです。
石川さんは好きだけど、上司としての石川さんは嫌いです、と。
一番可愛がっていた部下の2人から、時を同じくして言われたんですね。
二つの要因がありまして、一つは、いつも部下に、
お前に任すから、お前が完成したものを持って来い、と言っていたんです。
俺はその間ずっと待っている、アドバイスもしない。
と、ある意味、僕なりの愛の鞭なんですけれど、受け手は、
何でこの人は助けてくれないんだろう、指導するのがわずらわしいんだ、
俺の責任だと言いたくないんだ、と感じるんです。
それで、石川さんは確かに責任は取るといって取ってくれるけれど、
その間に何にもサポートしてくれない、と言うんです。
僕が企画が出来たらサポートする、それまではお前の色でやりたいだろう
と言ったら、僕は僕の色でやりたくありません。
細かく指導してもらいたいです、となるわけです。
もう一つ、中間管理職として、心を許した部下に会社の悪口も言うわけです。
それを聴いた部下は困るわけです。
部下は、俺はこの会社を愛してはいいんですか、悪いんですかとなるわけです。
彼らにとって僕は自分だけがマネージャーをやっているだけの
いい加減なやつだったんです。
相手のキャリアやスキルも考えずに、自分の一個しか信じていない
指導方法を押し付けて、人間性をフォローをする立場として
彼らを混乱させてしまったわけです。
これを辞めた後に気付いて、もう一度、組織を率いたら、
この反省を生かして、次の組織こそ、全員が燃えてくれる
いいチームをつくって、マネージャーというものにリベンジしたかったんです。
●「雇われ社長」としてのプロ意識
雇われ社長というのは、創業者でもないし、派閥争いで勝ちきって
社長になるわけでもないし、力を誇示し続けて社長になるわけではないので、
より所があまり無い。
いまの僕としては、スペックとして、持ってなきゃいけないものは
持っていないと、自分がハンドリングできないなと思いいます。
石川社長は人には優しいし、リーダーシップもあるけれど、
財務が全然駄目だよね、とか企画書作るのが下手だよね、とか、
営業のことがわからないよね、と言われてしまったら、
それだけで、業績が悪かったときにクローズアップされてしまうんです。
役割を演じているわけですから、演じるだけのスペックは必要だなと
思うんです。
創業者は要らないと思いますよ。いい参謀を置いておけばいい。
僕も置いていますけど、僕の参謀はスキルと知識がある程度、
シンクロしていないと僕が馬鹿にされてしまうわけです。