
エクセレント・ブランドを束ねる「ブランド」
~ユーザ・ブランド・一休のwin-win-winトライアングル
先日、株式会社一休の森正文氏をお招きし、
07年第2期経営者講義の第2回目が開催されました。
一休は高級ホテルの宿泊予約に特化した「一休.com」の、
運営を手がけており、大変な注目を浴びています。
今回の講義では、やることを決めずに起業してしまったときの苦労話、
そして「一休.com」の前身となるビジネスモデル、そして現在の
モデルへの変化の過程についてなどをお話いただきました。
●やることも決まらず会社設立
会社を辞めて、街をぶらぶらしていたら、たまたま雨が降ってきて、
前の不動産屋さんに入って、事務所の物件を雨宿りがてら見ていたら
94年の時点ですけど、15坪くらいで15万円くらいの物件があって、
「あのビルの事務所は縁起が良い!」とその不動産屋さんが言うんで、
じゃあ、借りようかなと契約しました。
それで会社を設立することにしまして、母親にも500万円くらい
出してもらって1500万円くらいを資本金にして、会社を作った。
人と出会うときに見栄を張るためにも、家具屋があって、
それがすごい家具で150万円くらいするというんで、それをなぜか
買ってしまってですね(笑)
敷金・保証金と家具を買ってしまったためにわずか3日間で500万円
払ってしまって、残り1000万になってしまいました。
会社を設立してから何をやるかを考えるという、前代未聞のことに
なってしまいまして、まあ、いろいろなことをやてみたんですね。
会社といっても僕1人なんで、大学生のバイトと同じでですね。
ある銀行からテープおこしの仕事をもらって、会議のやりとりを
ワープロに書くとか、ある会社が株主向けに食品の見本を送る発送代行
なんてのを、大学生を集めてやったりしていました。
●eBayをヒントにオークションサイトをスタート
自分の強みは何だろうと考えると投資の仕事だと、で、投資の仕事で、
インターネットというのはどんなもんだろうと思って、実際は少し前から
アメリカのネット企業の株を見たら、eBayが上場したばかりでyahooが
少し前に上場したころでしたが、eBayを調べていったら大変驚くことばかりで、
お金はぜんぜんかかっていない。
それでオークションサイトを作ろうとそのとき思って、4000万円くらい
前の会社の友人や上司の何人かにだしてもらいました。
ようやくやることも決まったんで、一生分の馬券を買ったと思って、
ただの1人も投資計画書を出せと言わなかったです(笑)
欲しいか?と聞くと「いや、恐ろしくて見たくない」と(笑)
4000万円を集めてオークションサイトを始めました。
大学生を一人アルバイトがいて、内定先のパーティーで
「すごい面白いバイト先がある」と他の学生を集めてくれました。
それでオークションサイトをスタートすることにしました。
営業先は、アメ横とか秋葉原の辺りを企業から在庫が出してくれないか
と思って歩いていたら、アメ横や秋葉原が現実のオークションみたいに
なっていました。あっちが安くしたら、こっちはこれを安くすると
いったように。
それで学生がたまたま旅行代理店に電話をかけたら、そこの
インターネットの責任者があっても良いと言ってくれたんですね。
話をしていたら、旅行は結構売れるんじゃないかと言う話になりました。
そんな営業を続けていました。
●ブランドを束ねるブランド
ニューヨークにいたときに、日本から来る友人のためにホテルを
取るときに同じヒルトンホテルでも、価格が違ってきたこともあり、
それが大変印象に残っていたこともあり、
あるとき、センチュリーハイアット東京に飛び込んでいきました。
すると、ホテルの担当者の人が言うわけです。
銀座のある寿司屋は「最高級の生もの」を扱うと言うけれど、
我々は寿司屋以上の「究極の生もの」を扱っている、と。
寿司屋はネタが売れ残ったら冷蔵庫にしまえるが、
ホテルの部屋は今日売れ残ったら冷蔵庫がないんだ、と。
ではオークションで売りませんか?と言うと、面白がって
出品してくれたと言うのが始まりです。
あるホテルに「お宅のライバルはどこですか?」と聞くと、
「真向かいのホテルです」というんで、そのままそこに行きましたね。
そうしたら偶然良いホテルばかりが集まったということですね。
こちらもeBayを目指したんですけど、Yahoo!と楽天が99年の秋に
オークションサイトを始めたので、こちらは特化しないと生き残れない
と思いました。
年明けの1月に新年の挨拶代わりにホテルに行ったら、
オークションも良いんだけど、我々が売りたいのは普通の部屋だ、
普通の部屋は何だと言ったら、高級ホテルのツインだとかスイートだとか
夜景を売り物にしたりと部屋に複雑なマトリックスがあって、
それを売っていきたいんだ、と言われまして。
ホテルは常にテナントを募集しているビルみたいなもので、
それをなるべく高級ホテルと一緒にやりたい、そうでないと
8000円ぐらいのビジネスホテルと一緒にやっていたら、
ブランドが傷ついてしまうので、それを嫌がるわけです
それまでベンチャーなんかに取引をしてくれるところは
なかったんですけど、高級ホテルが取引してくれることで、
それがブランドのポートフォリオになってくる。
するとそれまで取引してくれなかったホテルなんかが、
話を聞いてくれるようになりました。
それでも色々と言ってくるんで、もう花嫁を扱うように、
もうすべてあなたの言うとおりにします、といって話をしました(笑)
それが一休の始まりです。