
ハイコンセプトな時代の一翼を担うリアル・フリートの華麗なる挑戦
先日、株式会社リアル・フリートの熊本浩志氏をお招きし、
07年第2期経営者講義の第1回目が開催されました。
リアル・フリートは、デザイン家電ブランド「amadana」の
製造販売を手がけ、ヒットを連発。家電業界に感性を持ち込み
革命を巻き起こしております。
今回の講義では、起業する前に務めていた家電メーカーでの
出来事、そして起業するにいたったきっかけ、家電にかける思い、
ブランド戦略についてお話いただきました。
●今、家電にできることとは?
会社を立ち上げる前の半年間は悶々としていて
いろいろと考えました。
家電メーカーを立ち上げることは、正しいのかなぁと不安になったんです。
もう一回、家電メーカが存在する意味を考え直そうと思いました。
松下幸之助さんやソニーの盛田さんの話を本で読んだりして、
日本の家電業界は20世紀に及ぼした功績はものすごく意味があったと
思ったんです。
ところがそれらはすべて生活のソリューションなんですね。
カラーテレビがやってきた時代にインフラ整備されて、テレビが今の家庭に
中心になってきた。洗濯機が全自動になり、主婦の生活が劇的に変化し、
主婦が働くようになった。
家電によってライフスタイルが大きく変わった。ところが、
これから我々が、生活の中で本当にそれだけ劇的に変化させられるだけの
ソリューションが家電にあるかというと、ないんですね。
だから今だに技術を追い求めても消費者のニーズと開きがでてしまって、
結果普及率はあがったけれども、価格の下落を招いて価値も下がってしまう、
という負のスパイラルになってしまう。
その中であえてその業界に入っていくのは、何の意味があるのだろうか、
ということを考えていて、そのときに、あるインテリアショップの社長に言わ
れたことがずっと僕の頭の中にあったんです。
●リアル・フリート、そしてアマダナの使命
そこからひょっとしたらこの事業の目的かなと思ったのが、2つあるんです。
1つは、21世紀の家電メーカーは、ミニ東芝、ミニソニー、ミニ松下を
作っても仕方がない。何をしなくてはならないかというと、
これだけ豊かになったら日本人の生活デザインの質を、
いかに引き上げるかということが家電の役割かもしれないと思うんです。
例えば生活は豊かになっているし、クオリティの高いものはいくらでも
手に入るんです。インテリアでもファッションでも東京は手に入らないものは
ないんです。消費においてこれだけ恵まれているところはないです。
これだけセンスが良くて質の高いものが手に入る、だったらなおさら
家電業界だけがチープなものを作り続けている。コストリアクションして
どんどん質が下がっている。これは非常にまずい状態です。
そんな中で、インテリアの社長が言った言葉が響いている。
「うちの家具が売れないのは、家電のせいだと思う」と言われたんです。
なに言っているんだ、この人はと思ったら、
「うちがどんなにいい空間やいい生活を提案しても、お客さんが
一番最初に買うのは家電なんだよね、冷蔵庫でありテレビなんだよね。
すべてそれが決まってからインテリアを買いにいく。
家電ありきで家具を買う。
デザインのいい家電を買う人はいい、そこにチープなインテリアを
選ぶ人はいない。いいものを選ぼうと言う意識が芽生える。」と。
確かにそこで生活する人はそれがスタンダードになって
生活が引き上げられる。そういった質の高いものに触れて、
体感することで、自然とデザイン教育が受けられる。
日本と言うのはデザイン文化でまだまだ歴史が浅い部分があるので
これを引き上げるのが日本の中に必要だと。
そうしたら、家も変わる、家も変われば、街並みも変わる。
ひょっとしたら、それが家電からできるのではと思ったんです。
僕らは家電から21世紀の生活デザインを変えていこうと思ったんです。
●日本の家電を世界に
もう1つは日本の家電を世界へ持っていく。もう一度日本の家電って
すごいな、とを認めてもらうのを僕らが担えないかということです。
「amadana」というのは日本語です。日本のオリジナルブランドを
作るとき、fromジャパン、日本から世界にもってくるもの。
と言う意味を込めています。
アマダナとは、江戸時代の古語でして。いまのマンダリンオリエンタルの
ある地域なんですが、そこを通称尼棚といったんですね。
そこには漆職人や問屋がいっぱいあった街並みがあって、なぜそれを
ブランド名にしたかというと、西洋では漆の器はjapanという。
初めて西洋人が日本に来て漆の器を見て日本の伝統技術と伝統美、
デザインとテクノロジーを兼ねそろえた象徴的なプロダクトだ、
ということでjapanといったんです。
一方で家電も20世紀のjapanだったんです。そこでもう一度家電を
japanとして認めさせたいと言うことで
「amadana」をブランド名にしたということです。