
情熱は才能を超える!世界初!技術革新への軌跡
07年第1期経営者講義の第2回目として、CMでもお馴染みのプロピアの
保知宏氏にお越しいただきました。
保知氏は、カツラメーカーのフランチャイズでの経験から、
頭髪に悩む人々の苦しみと、そして喜びを感じ取り、独立し、
プロピアをスタートさせ、ヘアコンタクトの開発に着手しました。
世界初の技術を完成を支えた保知氏の熱意とアントレプレナーシップ
には、参加者の皆さんが感動をされておりました。
不可能を可能にする保知氏の愛と情熱に溢れるストーリーの
一部を抜粋してお届けいたします!
●情熱の原点 ~喜んでくれる人たちのために生涯をかける
あるカツラ会社のフランチャイズをやっていたのですが、
上手くいかないな、これはつぶしてしまうなと思っていたので、
会社を譲渡しようと考えていました。
ところが、あるお客さんが、カツラを作るのに一緒になって
携わっていただいたのですが、亡くなる前に、
「これは保地さんと一緒になって考えたカツラだ。必ず棺おけに
入れてくれ。」と言って他界していったんですね。
そういうのを見ていくうちに、他人に譲渡するのはやめようと
思いました。これは儲かる儲からないではなくて、
本当に困っている人を助けることなんだなと感じました。
ビジネスホテルにあるようなブタ毛のブラシというのは、
どこで作っているかというと、ほとんどが韓国なんですね。
カツラも韓国なんです。なぜかというと、ブタ毛のブラシを
作るのが上手いからカツラも出してみようというのが始まりなんですね。
ですから、世界中のカツラは韓国産なんです。
だったら、いくら頑張っても結局商品自体は韓国から出ているなら、
開発型企業を立ち上げて、メイドインジャパンで勝負したら
勝つんじゃないかと思ったんです。
こんなに苦しんでいる人たちも救われるんじゃないかと思いまして。
いまでも新宿のサロンに行くと、「保地!」といまだに怒鳴られます。
でも文句を言っている目の奥にやさしさが見えているんですね。
そんな人たちのために、生涯かけてもいいかなって思えたんです。
それで、プロピアと社名変更してスタートしました。
●文化を変えるために
10ヶ月かけてやっていた人工毛の開発が失敗したときに、開発者の中で、
もう駄目だという空気になったので、このまま終わるのももったいないと
思い、一緒に開発していた会社の担当者を呼んだんです。そうしたら、
「保知さん、そんな大変な思いをしてまでやりたいのか」と言いました。
カツラのフランチャイズをしていたときに、小学校3年生の男の子が
円形脱毛症が4箇所ぐらいできて、やってきたんです。その子は学校に
行けないわけなんですね。円形脱毛症をカバーする商品はいまだに
世界中どこにもないんです、現在のうちの商品以外は。
それでそのときはカツラを深めに作って納品したら、本人はとても
嫌がっていました。でもお母さんが厳しい人で、その子を
学校に行かせたんですね。
そうしたら、次の日お母さんから泣きながら電話がかかってきました。
「学校で外れました」と。それで一ヵ月後には、
「もう学校には行けません。転校します」という話になりました。
もうそのときはすごく悔しかったです。専門業者に商品がないんですから。
そのときにその話をしたら、その彼は、部署から一人ずつ
引き抜いていって、「誰にもこのプロジェクトは口にするな。
何かあったら俺が壁になってやる」と、仕事が終わって夜遅くから
やりはじめたそうです。それから1年くらいたってからやってきて、
製品を持ってきてくれたんです。泣きましたね。男泣きしました。
うちのCMだって、本当はカツラと対比するのが一番いいんです。
ところがそれだと、ただ薄いカツラで終わって、われわれは自己満足で
終わってしまうかもしれないんですが、つけた本人の気持ちは
変わらないんですよ。そうではなくてイメージを変えてあげたかったんです。
20年前までコンタクトレンズをつけている人を見たら「大丈夫?」
と引いちゃったと思うんですね。ところが今は、なぜ隣で
青いコンタクトをつけている人がいても気にならないかと言うと、
必要としない人までが認めたからなんですよ。そうなると
必要としている人が気軽に買える時代が来ると思うんですね。
TVを買おうと言うときだって、家族で買いに行って子供が喜んだり、
値段を交渉したり、来るのを楽しみにしたり、これが買い物の醍醐味
なんですよ。ところがこの業界だけは違うんです。こっそりお金を貯めて
誰にもわからないように買って、そんなの何も楽しいわけがない。
だからわれわれは遠回りに、家族を巻き込んで楽しくワイワイ
いきましょうというCMをやっているんです。
