
先日、パシフィックゴルフの廣瀬光雄氏をお招きし、
07年第1期経営者講義の第1回目が開催されました。
廣瀬氏は、元ジョンソン・エンド・ジョンソンの代表取締役社長を
務められた後、60歳を過ぎてから起業、6年で東証一部に
上場を果たしました。
今回の講義では、廣瀬氏のビジネスモデルを着想したきっかけ、
そして、次々と吹き付ける逆風をどのように乗り越えたか、
などについてお話いただきました。(一部抜粋)
●日本とアメリカの違いを調べたことがきっかけ
ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)に16年間お世話になり、
退職したのが8年前ですが、このままゆっくリタイアするのも
もったいないな、もう少し何かを経験したいなと思っておりましてね。
たまたまそのときにピーター・ドラッカー先生と会食する機会が
ありまして、その時に、「何かやるんだったらコンサルタントやったら?
日本で今一番有望な業種はコンサルタントだよ」と言われまして、
それで作ったのがマベリックジャパンというコンサル会社です。
その会社は、ビジネスシーズを考えるということをテーマに発足しました。
そこで考える中で、たまたま「ゴルフ場再生」ということが浮かび
上がってきたというのが、私のゴルフビジネスの縁です。
昔からアメリカに行くと、本当にいいコースが本当にリーズナブルな
値段でプレイができるのが不思議でしょうがなかったんです。
そこで、何でだろうということを探っていったことがあるんです。
そうしたらアメリカにはゴルフマネジメントビジネスがあると
いうことを発見したんです。
アメリカではゴルフ場のオーナーと運営する会社が別れている。
会社の資本と経営の分離のようなものです。これが今日のゴルフ大国
アメリカを作ったモデルなんですね。
このゴルフコースのマネジメントをする会社は何をやっているかというと
何百というコースを抱えて、メンテナンスコストを極限まで下げる。
それでゴルフ場は数を持てば持つほどシナジー効果でコストが
下がることを知っていたわけです。
J&Jを退職し、考える会社を作り、たまたまゴルフ場の倒産ラッシュが
起こり、何とかならないかという話が来て、色々と考えている中で、
この経験があったことでハッと気がついたんですね。
いまならあのゴルフ場マネジメントビジネスが通用するかもしれないと
思ったことがスタートです。
さてここからビジネスをはじめるには最低でも50、願わくば100の
ゴルフ場を必要とするから相当なお金がいる。
日本の銀行にいったら「新しいビジネスといえどもゴルフ場にはお金は貸せない」
と言われました。
でも縁というのは大事だと思うのですが、かつてJ&J時代に
在日米国商工会議所のガバナーを引き受けさせられていましたが、
そのメンバーの中に金融の人間がたくさんいたんですね。
その連中にちょっとこういうビジネスを考えているんだけど、と
プレゼンをしたんですね。6社プレゼンしたところそのうちの1社から
資金の工面はつけられました。
最初は6人で始めましたが、2001年、この会社をスタートしまして、
11コース買収しました。2006年には98コースとなりました。
中には36ホールのコースもありますので18ホール換算にしますと、
125.5コースのゴルフ場を所有しているということになります。
従業員はいまでは8035名。ゴルフ場の会員数は24万名、
年間来場者数は550万名という規模になり、2005年12月に
6年目に東証1部に上場することができました。
私が事業を始めたとき不良債権買取再生業は「ハゲタカ」と呼ばれてました。
その当時は、日本には不良債権買取再生業という民間企業が存在しなかった
んです。これに気がついた人もいなかった。先進8カ国は50年前から民間企業
として不良債権買取再生業というのが存在していたんです。
そんな中、私がゴルフ場をターゲットに不良債権買取再生をはじめまして、
しかもアメリカのファンドの力を借りてやったわけですから、ハゲタカという
イメージがついたのです。すべてのメディアに2年半から3年くらいハゲタカ
呼ばわりされました。いまではほとんどゼロです。
ゼロどころかあらゆる銀行、証券会社が企業再生ファンドを
組み始めました。それぐらい激変してしまったわけです。
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●事業家としてのスピリット
ほとんどの方が経営をするということと、事業をするということを
区別して考える人がいない。
経営のスキルというのは勉強すればできるんです。でも事業を起こすための
スピリットとは勉強しても身につかないんです。
だから皆さんが勉強していざ起業しようというときに、怖さが出てきますよね
失敗したらどうしようという。それがあるうちは起業はできません。
事業家というのは腹をくくったところがないといけない。
自信を持つということは事業家としてのスピリットを持つことの
一つの要素です。
一例として紹介しますが、私は日本の倒産した企業のデータを持って
アメリカに行ったんです。それで向こうのゴルフマネジメントの会社の
社長に、そのデータを分析をしてくれと頼んだんです。
そうしたら向こうの社長ががニヤリと笑って、「ミスター廣瀬、この数字で
なぜ倒産するのかわからない。倒産するほうがおかしい。入場者数はアメリカの
ゴルフ場の平均入場者数の4倍、一人当たりのスペンディングはアメリカの
2.7倍ある。アメリカだったら最高のお客さんだ。よっぽど経営が
おかしいんだ」これが私の自信の第一歩です。
ビジネスモデルがこれだけ違うと、日本のゴルフ場は駄目でも、
アメリカでは利益が出せるんです。その後、1週間滞在を伸ばして
つぶさに調査をしましたが、ますます自信を深めました。
