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■「@cosme」はマーケティングを変革する
わたしたち自身は、口コミというのは「期待値のギャップ」と
定義しています。
ユーザーというのは、物を買うとき、サービスを受けるとき、
必ず期待値を持っています。その期待値との違いを
「良かった、悪かった」と言います。これが口コミです。
映画だと分かりやすいですよね。良い良いと言われたから期待して
見に行ったら全然良くなかったとか、良くない良くないといわれて
見に行ったら、そこまでボロクソに言わなくても・・・とか。
あるいは、僕が子どもの頃、父親が映画をいっぱい借りてくるのですが、
何がいいのか分かりませんでした。でも今の歳になって見返すと、
あ、いいのかなと思えるわけです。
結局、その商品、映画は変らないわけです。何が変ったかというと
僕自身が変っただけなんです。
よくメーカーさんがマーケティングで商品のよさを伝えようとして、
商品を変えようと一生懸命になりますが、商品は変ってなくても、
ユーザーによって取り方は変ってくる。
それが@cosmeで把握できるようになったんじゃないかと思います。
期待値というのはメディアだったり、店頭だったり、店員との
コミュニケーションによってだんだんと形成されてきます。
そこで初めてギャップが生まれてきます。
今、メーカーさんがやっているプロモーションの多くは、期待値を
上げていることなんだと思います。期待値を上げているということは、
期待値のギャップがマイナスになる可能性を上げているということです。
@cosmeを立ち上げたときから、
「口コミって悪いことを書かれるんでしょ」
とメーカーさんから言われてきましたが、メーカー自身が
結果的に悪いことを書かれる確率を上げているのではないか、
ということです。
インターネットが出てきて、口コミが出てきて、@cosmeが
出てきて、mixiやGREEのようなコミュニケーションツールも
どんどん増えてきた。そうするとこれからのやり方は、
どんどん変わってくるんじゃないですか。
口コミによってコミュニティの持つパワーというものがどんどん
大きくなってくる。そこが今、一番面白いところです。
@cosmeをやっていて、ユーザーから何かしら
変えていける可能性を持っているところだと思っています。
これまでのPOSデータというのは、売れたか売れなかったかが
わかるものですが、いままで売れなかった商品は棚から下げるしか
なかったんです。これからマーケティングをかけていくかどうかは
判断材料がなかったんです。
ところが@cosmeのデータを見ると、今はあまり売れてないけれど、
少なくとも消費者にはポジティブに捉えられているかどうか、
というのが分かるようになります。
売れたか売れなかったかのデータだけではなく、
そのもう一歩先のデータを取れるようになってきたんです。
■「@cosme」を考えて起業するまで、1ヶ月!
コンサルティング業界にいた1999年に@cosmeのビジネスモデルを
考えたんですが、うまくいくかどうか会社の先輩に相談しました。
そしたら
「確かに面白い、インターネット時代の新しいビジネスモデル
かもしれない。ただ、それはコンサルティング業界ではできないね」
と言われました。
確かにそうなんです。A社、B社、C社がいて、A社がB社C社に
勝つためにコンサルタントは自分の時間と努力を費やすわけです。
それで対価をもらうわけです。
ところが先輩が言うには、
「吉松が言うやつってクライアントは誰なんだ?業界全体の最適化を
目指すだけであって、コンサルティング業界にあってクライアントが
勝つための戦略を考えることじゃないよね。」と。
じゃあ自分がやりたいことをやっている会社はどこなんだ、
探してみよう、と思って探したんですが無いんです。
99年というと、インターネットバブルの第1期がスタートした時期です。
そうすると、インターネットを前提とした会社がどこにもないんです。
自分のやりたいことをやっている会社がどこにもないんだなと
気づき、だったら自分で会社を興そうということで
会社を始めたというのが経緯です。
実は会社を立ち上げたら1年目からスタートするわけではないんですね。
そこにはあれこれ準備したりというゼロ年目が存在するわけです。
今年で会社を立ち上げて7年目ですが、一番面白かったのはいつか?
それはこのゼロ年目です。夢を描けるのはこのときだけですから。
僕自身が@cosmeのビジネスモデルを考えたのは1999年の4月です。
僕の友人が4人でシステム開発会社をやっていたんですけど、
そこに遊びに行ったら、そこでドメインチェックをやっていたわけです。
当時は「walmart.com」が一億円で売れた時代です。
それでドメインのチェックのやり方を教えてもらって、自分でも
チェックしてみたんです。最初は自分の名前からやるんですけど、
色々な会社の名前も調べて見ました。するとほとんど「●●.com」
というのは、取られているわけです。
ところが「cosme.com」と「cosme.net」は空いていた。
実は「comsme」というのは和製英語で、本当は「cosmetic」なんです。
その時に化粧品は面白いな、と思っていたので、じゃ、取ってみようか
と思って買ったんですね。
取れてしまったら、そのままにしておくのももったいないですからね。
事業計画を書いてみよう、と、5月のゴールデンウィークに
書き始めたんです。書き始めると面白いわけですね。1億とか2億とか
事業計画上、どんどん利益が出てくるんです(笑)やべえなって(笑)
で、色々な分析をしてみると、どんなに分析してみても、
やっぱりそういう数字が出てくるわけで、もうドキドキしてました。
知り合いでVCをやっている人にの事業計画書をみせてみたら
「面白いんじゃない?これから日本にもインターネットが
やってくるから資金もつくんじゃない?」といわれて、
さらにドキドキするわけです。会社の同期40人くらいにも分析させて、
議論したら、みんな「面白い」というわけです。
5月17日には上司に「会社辞めます、いても立ってもいられないので
やめさせてください。」と言ったわけです。
それで会社を作らなくてはいけないのですが、当時1円起業なんて
ありませんでしたから、有限会社を作るのに300万円かかる。
でも社会人3年目だったので貯金なんかないわけです。
ところが6月に結婚することになっていまして、目の前に親から借りた
結婚資金が積んであるわけです。「今なら300万作れる」と言う
思いが先に立って、相手の親に「会社を辞めます」という報告を
しました。それで6月に結婚して会社設立を迎えました。
ですので、ビジネスモデルを考えてから会社を設立するまで
3ヶ月間経っていません。事実上1ヶ月間です。
相手の親も自分の親もみんな心配しましたけど、
僕に言わせれば、何でそんなに心配するのかわからない、
目の前にこんなにチャンスがあるじゃないか、って。