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■事業の目的、意義を明確にする
ただ単に経済的な生活を守っていくために、死にもの狂いで物事に取り組むかと言うと、それだけではがんばれない。人間は、働いたりあることを成し遂げようと思うなら、そこに大儀がなければだめなのです。大儀というのは、私的なものではなく、社会的なもの、公的なもの、公益を増すもの、そういうものが含まれておった時に初めて、人間は死に物狂いになれるんですね。自分の欲望のためだけに努力することには、限界があるんです。「ここまでくればこれ以上はええや」と思ってしまうと、それ以上の努力をしなくなるが、公的なもの、人類社会の為になるんやという大儀が含まれていたら、人間はさらに努力をすることができる。私の会社もそうで、「ここまででいいじゃないか」と思う点はないんです。もっと人類社会のためになることをしよう、もっと良き世の中になることに貢献しようと思いつづけることが、更に上昇する原動力になるんです。
■強烈な願望を心に抱く
中村天風というヨガの達人の本をよく読みましたが、その中で、”心理”というものについてこう説明しています。
「心に描いたもの、描く度合いによって、あなたの周辺に起こってくる現象、あなたの会社の状況が変わってくる。健康ですばらしい会社なのか、貧弱で潰れそうな会社なのか、強烈な願望を描けば、すべてはあなたが心に描いた通りになるのです。」
私は会社を四十数年ほど経営してきて、痛切に感じます。「潜在意識に透徹するほどの強く持続した願望を持つこと」がとても大事で、「こうしたい」、「こうありたい」と思っていることは、顕在意識のレベルなんですが、来る日も来る日も思っていることが潜在意識に入ってゆくんです。そうなることで、他のことに集中しなければならない状態でも、あらゆる全身全霊を使ってチャンスをキャッチすることができるんです。「強烈な願望」を抱くことが大事なんですね。
■売上を最大限に、経費は最小限に
私は最初会社を始めた時に、簿記も経理も何にも知識がありませんでした。損益計算書やバランスシートも見たことがなかった。会社を始めれば、すぐに経営全般を見なきゃなりませんから、会社の経理担当の人に私はしょっちゅう質問していました。何度聞いても会計用語も何もわからなかったので、ある時、「もうええわ、経営というのははよ言うたら、売上が上がって、そっから経費を引いて残ったのが儲けやな」と確認し、売上を最大限に伸ばし、経費を最小限にするという方針を決めたんです。
一般の経営者は電子工業関係ですと、売上の数%の税引前利益が出ればまあまあだった。ただそれは恐ろしいことに、そういうものをいつの間にか常識として潜在意識にまでインプットしてしまっているということなのです。ただ「売上を最大限に、経費は最小限に」という目標だと、利益何%というのは出たとこ勝負であって、目標ではなくなるんです。実は京セラが若いときから高収益会社になったというのはまさにこれが理由なんです。